腫瘍科認定医による「腫瘍(がん)治療」について
当院におけるがん治療
当院では腫瘍科認定医が在籍し、専門的な知識や経験をもとに、患者様にとって最良な治療を行っております。
セカンドオピニオンを受けられる患者さんも多くご来院されています。犬猫の腫瘍でお困りの事がありましたら、
どうぞお気軽にご相談ください。
獣医師紹介
日本獣医がん学会 獣医腫瘍科Ⅰ種認定医
村上 昭弘
日本獣医がん学会の獣医腫瘍科認定医Ⅰ種を取得している腫瘍科の専門医。
その他に腫瘍外科学、軟部外科学など外科系にも精通。
2004年 日本大学生物資源科学部獣医学科卒業(内科学研究室)
他の4病院にて16年の臨床獣医師として経験あり
2010年より 日本大学獣医外科学研究室大学院研究生
辻堂犬猫病院勤務(藤沢市)湘南動物愛護病院(茅ヶ崎市)プラザディ動物病院(横浜市青葉区)勤務
大学附属動物病院にて外科手術を研修中
現在、東京・神奈川の複数の動物病院にて、腫瘍科・外科を中心に診療を行っている
飼主様とのコミュニケーションを大切にし、大切な家族が安心して治療を受けられるよう丁寧な獣医療を心がけてまいります。
根治治療を目標として
腫瘍(がん)がどのような種類のものなのか、正確に診断をし、飼い主様とご一緒に最善の治療方法を考えてまいります。また、私どもは常に‘根治治療’つまり完全に腫瘍を取り除くことを目標に治療をしてまいりますが、残念ながら腫瘍の性質や進行状況によっては、治すことのできない状況であることもあります。
そのような場合であっても、動物達が最期まで痛みや苦しみから少しでも改善できるような治療法を、飼い主様とご一緒に考えていきます。
腫瘍の診断
腫瘍の診断は、腫瘍だけを診るのではなく、周囲のリンパ節の状況や肺などに転移がないかどうか、また治療ができる健康状態にあるかどうかを総合的に判断していきます。
しこりを触ったり、腫瘍細胞を採取して顕微鏡で観察しながら、どのような腫瘍なのかを判断していきます。これらの検査によって、腫瘍でないと判断できる場合も多くありますので、必ず行うべき検査となります。当院では細胞診の検査に力を入れております。
良性の腫瘍は転移することがありませんが、悪性の腫瘍は転移します。多くの腫瘍は、まず一番近くのリンパ節に転移することが多いため、リンパ節の状況を確認します。これにより治療方法が変わってきますので、必ず行う検査です。
腫瘍が患部に留まっていれば、手術で取り除き根治治療を目指します。しかし、肺や肝臓など全身に広がっている場合には、患部のみを切除してもあまり意味がありません。当院ではこのように意味のない手術をしないように、腫瘍の進行状況をレントゲン検査や超音波検査、また時にはCT検査を実施し、正しい治療を行うように治療計画を立てていきます。
腫瘍の治療を行っていくにあたり、他に病気がないかを確認します。つまり腫瘍の治療に耐えられるだけの体力があるかどうかをしっかりと判断します。もし他に病気が見つかった場合には、健康を回復した後に腫瘍の治療を行っていきます。
腫瘍の治療
腫瘍の治療には大きく分けて、
手術 放射線治療 抗がん剤 緩和治療
などを用いた治療方法があります。
動物たちに対してどのような治療を行っていくかを飼い主様としっかり相談させていただき、治療方針を決定していきます。
切除手術によって腫瘍を取り除くことです。
特殊な腫瘍を除いては、根治治療として最も適した治療法になります。
手術の際には、その腫瘍がどのような性質の腫瘍なのか充分に把握したうえで、最善の手術法を行っていきます。
放射線治療とは、放射線を腫瘍に照射して治療する方法です。
放射線治療にはいくつか種類がありますが、獣医療で可能なのは特殊な装置を利用して、動物の外側から放射線を照射するものです。
当院では、放射線治療が必要と判断した場合、高度医療機関と迅速に連携を取りながら治療を行っていく体制を整えております。
悪性リンパ腫や白血病など、ある種の腫瘍では治療の主軸になります。当院では、症状に合わせた多種の抗がん剤を常備しておりますので、動物達にあった適切な薬剤を提供することが可能です。
また抗がん剤を使用する際には、副作用のご心配や経済的ご負担も考慮した上で、ご家族の皆様と一緒に治療方針を決定してまいります。
腫瘍によって引き起こされる様々な症状を、点滴治療、食欲増進剤、栄養補給、痛み止めなどを用いて和らげてあげる治療です。様々な治療法と併用しながら行う大切な治療です。
腫瘍の治療において、輸血は重要な役割を担っています。当院ではボランティアスタッフや病院スタッフの飼育犬の協力を得ながら、緊急的な輸血治療に対応しております。
実際に輸血治療を行った例
・腹部の腫瘍が破裂して、大量出血を起こした例
・腫瘍の影響により、貧血が進行してしまった例
・DIC(播種性血管内凝固症候群)が起こり、急速に貧血が生じてしまった例
・輸血を実施しないと、手術ができなかった例